2010年6月17日
カジュラーホー寺院群
10世紀初頭から12世紀末ごろのチャンデーラ朝時代に、カジュラーホーでは、85ヶ所に及ぶ寺院が建設されたと考えられている。カジュラーホーの寺院群は細い釣鐘状の塔の上部全体をシカラと呼ぶ北方式の典型例を示している。現存しているのは25ヶ所のみで、東西約2キロ、南北約3キロの約6平方キロの範囲に分布し、2か所のヒンドゥー教寺院で構成される南グループ、ジャイナ教寺院が主体の東グループ、ヒンドゥー教寺院のみで構成され、もっともよく建造物が残存している西グループの三つの寺院群にわけられる。ヒンドゥー教寺院は、ヴィシュヌ派の寺院が主体となっている。またヒンドゥー教かジャイナ教かによって建築や彫刻に極端な差はほとんどみられず、ミトゥナ像(男女交合のエロティックな彫刻)を含む官能的なレリーフ群も共通して見られ、いずれも豊穣祈願が込められていると考えられている。
西グループのヒンドゥー教寺院
カジュラーホーで最大とされる寺院は、西グループにあるカンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院で、11世紀中葉に建設された。小高い基壇の上に大拝堂(マハー・マンダバ)、拝堂(マンダバ)と呼ばれる構造と、大シカラを上に載せるようにして聖室(ガルバグリハ)と呼ばれる構造がある。これらの建物の上はバルコニーと呼ばれていてシカラを支える石柱が建てられ、内部へ光を入れるようになっている。石柱の上には細い釣鐘状のシカラ群がおり重なってそびえたっている。最大の大シカラは、砂岩で造られ、31mに達し、そっくり同じ形の84基の小シカラが大シカラを包み込むように造られている。シカラの壁面は細かな文様が施され、小シカラを支える柱状の構造の側面には、裸体の人物像がぎっしりと刻まれている。また寺院の内部には、繞道(にょうどう)と呼ばれる礼拝対象である寺院本体を右に回って拝観するための通路があって、シカラの真下にあるバルコニー部分から入ってくる光によって、内部の彫刻を照らす仕組みになっている。カンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院は、シヴァ神にささげられた寺院であり、林立するシカラは、シヴァ神が住むとされるカイラス山もしくはヒマラヤ山脈を象徴していると考えられている。
ラクシュマナ寺院は、チャンデーラ朝のヤショーヴァルマン王によってヴィシュヌ神にささげる宮殿として、10世紀前半に建設され、東側に幅7m、奥行き12?3mの張り出し部を持つアディスターナと呼称される長方形の基壇の上に建てられている五堂形式(パンチャーヤタナ)の寺院である。アディスターナの本体は幅26m、奥行きの長さ40m、高さ2.7mであって、ラクシュマナ寺院の本堂の手前に玄関に列柱を設けた副祠堂が向かいあって建てられている。すなわち南東の副祠堂は北向きに、北東の副祠堂は南向きに建てられている。アディスターナの奥の二隅、すなわち北西、南西隅の副祠堂は、本堂と同じく東向きに配置されている。本堂は、パーパーガないしパーダ・パーガと呼称される小高い基壇の上に建てられ、西側の入口には、切り石積みの階段が設けられ、昇り始めは末広がりで広いが、昇るに従って狭くなっていく。本堂のシカラは入口からだんだん高くなり、最も高いシカラは、アディスターナの表面から23mに達する。副祠堂のシカラには、いずれも頂部にアーマラカという円盤状の構造が設けられている。副祠堂の外壁にはヴィシュヌ神に関連する神話をテーマにした浮彫りが施されている。
カジュラーホーで最も著名な寺院のひとつであるヴィシュヴァナータ寺院も、西グループに位置しており、1002年に建設された。東西に連なるシカラは、東から西へ向かって段々に高くなるように造られている。シカラは、聖室や拝堂の上面の石柱によって支えられ、シカラの下のバルコニーと呼ばれる空間によって、あたかも空中に浮かんでいるような印象を与える。主としてシカラの下部に男女の神々や空想上、神話上の生き物、天女、ミトゥナと呼ばれる抱き合ったり性交しているような彫像が刻まれているが、繞道をめぐってバルコニーの光によって薄暗い空間のなかで内部にある似たような彫像を拝観できる仕組みになっている。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
カジュラーホー寺院群文化遺産に指定されています。
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